ちゃんと現場行ってる? USJ再建の森岡毅に学ぶ現場主義の重要性
仕事において、あなたは意識して現場へ行っていますか?
「現場」といっても、業種によってはピンとこないかもしれませんね。
現場というと、小売業であれば実際の店舗、製造業であれば製造現場、金融業であれば銀行窓口などがあたります。
ほかにも、製造業であれば作ったものが最後お客様に触れる店舗も、現場のひとつと言えるでしょう。
ビジネスにおける「現場」を定義すると、「目に見える形で仕事が行われている、あるいは影響を及ぼしている場所」とでも表現できるかと思います。
最近はデスクワーク中心の方も多いかと思いますが、あなたは現場に足を運んでますか?
今回は、大阪のUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)を再建した超有名マーケター、森岡毅の著書「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」から、現場の大切さについて紹介したいと思います!
森岡毅はパーク内を「とにかく歩いた」
この本を一読したときの私の一番の感想は、
「森岡毅さん、めちゃくちゃ現場歩くやん」
でした。
森岡さんはUSJのマーケティング責任者を務め、業績のV字回復の立役者ですが、入社当初から常に、
「新しいアイデアを出し続けなければならない」
「絶対に失敗は許されない」
というプレッシャーのなかで企画を打ち出し続けてきたそうです。
森岡さんはアイデアを出すにあたり、とにかくとにかくUSJのパーク内を歩き、観察することに徹したそうです。
著書で述べられていますが、森岡さんは新卒でP&Gに入社され、当時の上司から
「困ったら、答えは現場にある」
と教えられたそうです。
実際に店舗に足を運び、自身が取り扱っていたシャンプーの陳列棚や、商品を選ぶお客さんの姿を観察し、様々な問題の解決に役立ててきたそうです。
そんな森岡さんは、ただパーク内を歩くだけではなく、4人の子供と奥さんの家族6人で実際に遊びにいってみたそうです。
一番下は4歳の子供とパークを回る中で、乗ろうと思ったアトラクションの多くが、身長制限のために乗れないという事態に遭遇します。
また、JAWSで子供が泣いてしまい、USJのウリであるリアルなJAWSやターミネーターが、子供には恐怖の対象であるという気付きに出会います。
(乗ったことがある方はわかると思いますが、たしかに4歳の子供には怖いですよね。。。)
USJは当初、映画のテーマパークとして売り出しており、アトラクションのリアルさはピカイチだったのですが、それが子供には裏目に出てしまったのです。
この経験から、USJの弱点がわかったと森岡さんは述べています。
自分自身が家族連れで遊ぶことで、「低年齢の子供を持つ家族層」の集客を行うための様々なヒントを得たのです。
現場の学びから徹底的にこだわった新エリア
森岡さんは現場での学びを生かし、新ファミリーエリア「ユニバーサル・ワンダーランド」を立ち上げ、ファミリー層の獲得に成功しました。
森岡さん自身が感じた課題をクリアし、身長制限は最小限にとどめ、子供の大好きなハローキティなどのキャラクターを大集合させたエリアとしてオープンしたのです。
コーヒーカップに至っては、子供の低い視点からでも景色が楽しめるよう、手すりなどが視界を遮らないように調整し、またそこから見える周辺の建物のデザインを工夫するなど、現場でしか感じられない細部にも徹底的にこだわったそうです。
ITの進んだ現代こそ現場へ!
森岡毅さんの例を紹介しましたが、現場を大切にする心構えは、あなたの仕事にもとても参考になるのではないでしょうか?
BtoCのビジネスであれば、お店へ足を運んで陳列やお客さんの様子を観察する。
BtoBであれば、顧客都合もあり難しいかもしれませんが、自社製品がどのように活用されているのかを見せてもらう。
人事など管理系の仕事であれば、自社の制度をひとりの従業員として活用してみる。
このように、一言で現場へ行くといっても、いろいろなスタイルがあると思います。
大切なのは、ただ足を運ぶだけではなく、しっかりと観察し、アンテナを高め、ひとつでも多くの発見をしようという心構えを持つことです。
現場へ足繫く通ううちに、そのような感性も研ぎ澄まされていきます。
ほとんどの仕事がパソコン上で完結してしまう。
管理職であれば、部下からの報告をスクリーンで見るだけで、判断ができてしまう。
そんなITの進んだ現代において、現場の大切さはつい忘れられがちです。
ぜひ明日から現場を意識し、そこにしかない「答え」を探してみてください!