独学3ヶ月で簿記2級に確実に合格できる勉強法【テキスト選びから完全公開】
簿記2級といえば数ある資格のなかでも最もポピュラーな資格ですよね!読者のみなさんのなかでも、取得を目指している方も多いのではないでしょうか?
今回は、独学3ヶ月で一発合格した私自身の経験を踏まえながら、簿記2級に3ヶ月で独学合格するための勉強法をご説明します。
私は3級を飛ばして、はじめから簿記2級からチャレンジしました。
勉強期間はおよそ3ヶ月。1日当たり1~3時間程度の勉強時間で、結果的には92点で合格できました。
70点の合格ラインに対して余裕を持って合格できましたし、ほとんどの問題に自信を持って回答できたのを覚えています。
この記事では、私の経験を踏まえつつ、簿記2級の試験概要からテキストの選び方、勉強法にいたるまで、独学で合格するノウハウを凝縮しました。
独学で簿記2級へのチャレンジを考えている方には、かなり参考になると思いますので、ぜひご覧ください!
試験概要・難易度
そもそも簿記検定って何?
資格の王様みたいな簿記ですが、そもそも何の資格なんでしょうか?
一言でいうと、企業の経営活動を記録・計算・整理する手法のことを指します。
「モノがいくら売れたのか」
「1年間の売上とコストはいくらだったのか」
「支払う税金はいくらか」
など、企業活動におけるお金を管理する技術です。
簿記という技術によって、企業の経営がどのような状態かがわかります。
この簿記という資格を勉強するメリットは、企業活動とお金の関係を学べることです。
企業の経理担当者といったカネ資源に直接かかわる人でなくとも、ビジネスに必須のお金の知識が身につくので、簿記検定はすべてのビジネスパーソンにおすすめの資格です。
この簿記の技能を測る簿記検定が、
・日商簿記
・全商簿記
・全経簿記
と、日本には3種類あります。
この記事では、最もポピュラーで「簿記の王道」といわれる日商簿記について解説しますので、他の種類の簿記検定を受ける方はご注意ください。
開催数・試験内容・時間は?
日商簿記検定2級の試験は毎年2月、6月、11月の年3回実施されます。
年1回の試験と違ってリベンジしやすいので、勉強不足で受ける人が多いですが、受験料が5,000円近くかかるので、やはり一発合格を狙いたいです。
簿記2級の試験は、大きく分けて「商業簿記」と「工業簿記」の2科目に分けられます。
・商業簿記は、企業の購買活動や販売活動など、外部取引のお金を計算する分野。
・工業簿記は、材料費・燃料費・人件費など、内部活動のお金を計算する分野。
という風にざっくりと押さえておけばOKです。
工業簿記は、簿記3級には登場しない分野なので、3級から2級にステップアップしてきた方が特に苦戦しやすいと言われています。
試験時間は2時間で、商業簿記と工業簿記を一緒に実施します。
長いようで、テキパキ計算しないと間に合わない試験時間設定のため、しっかりとした計算能力を付けないと、簿記2級の合格は難しいといえます。
難易度・勉強時間の目安は?
簿記2級の難易度ですが、合格率は10%~30%ほどで推移しています。
40%~60%ほどの簿記3級と比較すると、数段難易度は上がります。
合格点は70点で、凡ミスなどがあっても確実に合格するためには、ほぼすべて解き切れる実力が必要なイメージです。
合格に必要な勉強時間の目安ですが、およそ200時間前後と言われています。
簿記3級は50時間前後で合格可能と言われているので、約4倍勉強時間が必要な計算です。
私自身も、おそらく200時間ほどの勉強で92点を取れたので、勉強時間は200時間、手堅くいくなら250時間を確保できれば十分でしょう。
独学でも大丈夫?
簿記2級は通信講座も充実しており、独学か通信講座かで悩む人も多いと思います。
私個人としては、独学をおすすめします。
通信講座も優秀な講師がわかりやすく教えてくれるため、効率よく学習できるのはもちろんですが、費用が高いです。
簿記2級は簡単な試験ではありませんが、
・理解が難しい論点がゴロゴロでるタイプの資格試験ではない
・問題集をどれだけ解くかが重要
という簿記検定の特徴を踏まえても、通信講座の映像授業等にお金をかけるのは勿体ないかなと感じます。
ただ、「どうしても独学が苦手!絶対通信講座がいい!」という方には、業界最安値で教材も充実しているスタディングがおすすめです。
簿記2級のおすすめテキスト(参考書・問題集)
簿記2級のおすすめ参考書
学習のベースとなる参考書のおすすめを紹介します。 どれも定番の参考書です。買って損はしないと思うので、デザインが好きなものを選べばOKです!
おすすめ参考書①みんなが欲しかった!簿記の教科書 日商簿記2級
定番中の定番テキストで、試験会場でも持っている人が一番多いと感じました。
見やすさ、わかりやすさを追求したテキストです。
ふんだんに図解が載っていて、簿記で大切なイメージで理解するのをめちゃくちゃ助けてくれます。
迷ったらコレで間違いありません。
おすすめ参考書②スッキリわかる 日商簿記2級
これは私が実際に使っていたテキストです。
参考書と問題集が一体型になっているが最大の特徴で、インプットした内容をすぐに問題集でアウトプットできます。
解説は漫画風の構成で、タイトル通りスッキリ理解できる工夫が凝らされています。
合格に必要な知識を最短で身に付けるなら、一番おすすめのテキストだと思います。
おすすめ参考書③合格テキスト 日商簿記2級(よくわかる簿記シリーズ)
資格の学校TACの講義で実際に使われているテキストです。
情報量が豊富で、網羅性が高いため、しっかりと学びたい方におすすめです。
簿記2級だとそれほど網羅的な知識は必要ありませんが、将来簿記1級を視野に入れている場合や、突っ込んだ学習をしたい方にぴったりの参考書です。
おすすめ参考書④パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級
私が受検した頃は有名じゃなかったのですが、記事作成にあたり調査したところ、めちゃくちゃ良い参考書だと思いました。
漫画でわかりやすく概要を学んでから詳細を学び、問題演習もできる構成は、サクサク学習を進められる工夫が凝縮されています。
アプリや動画講義といった学習補助がとても充実しているので、パッケージトータルのパフォーマンスはかなり高いです。
簿記2級のおすすめ問題集
続いて、簿記2級のおすすめ問題集をご紹介します。 結論から言うと、参考書と同じシリーズのものを選びましょう。
おすすめ問題集①みんなが欲しかった!簿記の問題集 日商簿記2級
参考書と同じく、やはり定番中の定番です。
参考書でインプットしたことを問題集でアウトプットしていけば、合格できる実力は確実につきます。
おすすめ問題集②スッキリわかる 日商簿記2級
こちらは参考書で紹介した通り、参考書+問題集の一体型テキストです。(参考書で紹介したのと同じものです)
何冊も買いそろえる必要がないので、持ち運びもスッキリですね。おすすめです!
おすすめ問題集③合格トレーニング 日商簿記2級(よくわかる簿記シリーズ)
TAC公式教材で、問題集も非常に網羅性が高いです。
カッチリ学びたい人におすすめです。
おすすめ問題集④パブロフ流でみんな合格 日商簿記2級
パブロフ流でみんなで合格シリーズの問題集です。
手書きフォントで計算過程がわかりやすく表現されており、独学でも苦にせず学習を進められます。
簿記2級のおすすめ過去問
簿記2級の合格には、過去問の学習が必須です。
出題傾向が変わっているところはあるものの、過去問をやらずに本試験に臨むのは絶対NGです。
独学での過去問学習におすすめの過去問題集はこちらです。
最新を含む直近12回分の本試験問題が収録されています。
簿記2級の定番といえる過去問題集で、解説も充実しているので、迷ったらこれを選べばOKです。
簿記2級のおすすめ予想問題集
過去問の後は、総仕上げとして予想問題集をやっておけば言うことなしです。
直近の傾向を踏まえて、本試験に出る可能性が高い問題に取り組むことができます。
おすすめの予想問題集はこちらです。
簿記2級のおすすめ学習アプリ
通勤・通学といったスキマ時間は、復習に最適です。 スマホで手軽に、質の高い勉強ができるアプリをご紹介します。
こちらの「パブロフ簿記」アプリは私も実際に使っていましたが、めちゃくちゃ便利です。
スキマ時間に、簿記の基本である仕訳を超効率的に復習できます。
このアプリがあれば、参考書を何回も読み返さなくても、仕訳をマスターすることが可能です。
簿記2級のおすすめ電卓
電卓を適当に選ぶのはやめましょう。
簿記は時間との戦いで、正確性も求められます。入力した数字が反映されなかったりすると致命傷です。
ハイスペックな電卓を買う必要はありませんが、不利にならない程度のおすすめの電卓をご紹介します。
電卓も様々あるのですが、簿記2級に必要な機能があり、なおかつコスパが良いものをチョイスしています。
簿記2級のおすすめ電卓①キヤノン: HS-1220TUG
こちらはコスパ最強の電卓です。
Amazonで買うのがお得です。
画面が見やすく、機能も十分なので、特にこだわらない人はこれを選んでおけばOKだと思います。
簿記2級のおすすめ電卓②シャープ:EL-N942-X
おすすめ①の電卓と比べると、少し高いですが、スピード入力性能が素晴らしい電卓です。
キーも入力しやすいサイズ感で、買って損はしないと思います。
仕事で使う方や公認会計士や税理士といった上級資格を目指す方など、少しお金をかけてでも性能を重視したい方はこちらがおすすめです。
簿記2級に独学合格した勉強法
ここからは、簿記2級に独学合格するための勉強法を説明します。
私が3ヶ月の勉強で9割以上得点できた方法です。
再現性が高い勉強法だと思うので、ぜひ参考にしてください。
勉強法(前提):アウトプット中心で学習しよう
勉強法の説明に入る前に、前提をお伝えしておきます。
すでに述べましたが、簿記はアウトプット中心の学習が大切です。
マークシートではなく、すべて記述式の試験なので、しっかりと自分で回答しきれるかが問われます。
インプット中心の学習だと、知識がバラバラになりやすく、財務諸表の作成問題などで完答する力がつきません。
問題集を解き、理解があやふやな箇所を参考書で確認するという作業を繰り返しながら、自力で答えを仕上げていく力をつけましょう。
勉強法①しっかりした学習計画を立てる
学習を開始する前に、勉強のスケジュールをきちんと立てることが大切です。
なんとなく参考書を読み進めてしまうと、知らないうちに試験日が近づいてきて、十分な問題演習ができないという事態に陥ります。
3ヶ月(13週間)で学習するとしたら、以下のスケジュール感がおすすめです。
- 1週目:工業簿記の参考書を一読
- 2~4週目:工業簿記の問題集を解きながら、参考書を復習
- 5週目:商業簿記の参考書を一読
- 6~8週目:商業簿記の問題集を解きながら、参考書を復習
- 9~11週目:過去問題集
- 12~13週目:予想問題集・総復習
結構タイトですが、これだと十分に過去問演習もできるため、十分合格可能です。
工業簿記からはじめていますが、2級からの分野で苦手にする人が多いことから、優先的に学習するという意図です。
必ずしも工業簿記からはじめる必要はないので、商業簿記からでもOKです。
参考書・問題集を進める際には、どうしても計画遅れが発生しがちなので、1日何ページ進めれば計画を消化できるのか計算しておきましょう。
ここからは、このスケジュール順に勉強法を細かく説明していきます!
勉強法②参考書・問題集で基礎を固める
まずは、参考書・問題集で基礎を固めます。
いきなり問題集を解いてもチンプンカンプンなので、まずは参考書を一読しましょう。
このとき、1週間程度でサラッと読み流して、全体を把握できればOKです。
深読みしすぎて、計画に遅れがでないように気をつけましょう。
参考書を一読したら、問題集をゴリゴリ解いていきましょう。
はじめはわからなくても大丈夫です。
「解く→答え合わせ→参考書を復習」というサイクルを繰り返しましょう。
答え合わせの際に絶対にやってほしいことが一つあります。
- 正解できたものに「○」
- たまたま正解できたものに「△」
- 不正解だったものに「×」
をメモしておいてください。
2周目以降は、「△」「×」の問題だけを解いていきます。
こうすることで、理解不足の問題を優先的に学習でき、効率が飛躍的に上がります。
何周も問題集を繰り返し、最終的にすべて「○」になったら卒業です!
答えを覚えてしまうかもしれませんが、それでも大丈夫です。
とにかく、間違った問題・悩んだ問題を繰り返し解きましょう!
勉強法③スキマ時間はパブロフ簿記アプリで仕訳練習
参考書での学習をサラッと流した分、仕訳を網羅的に覚えるのが少し大変です。
そこで登場するのが、すでに紹介したパブロフ簿記アプリです。
通勤時間などのスキマ時間はとにかくパブロフ簿記アプリに当てましょう!
3ヶ月間、スマホでYouTubeを見る時間、パブロフ簿記アプリをやるだけで、結果がかなり変わってきます。
勉強法④過去問題集を解こう
問題集の繰り返し学習が終わったら、過去問題集に移りましょう。
試験本番の1か月前には過去問を開始したいです。
過去問も繰り返し学習できるように、テキストに直接書き込むのではなく、コピーして使いましょう。
120分をきっちり計って、本番さながらに解くのも大切です。
過去問を解くと、問題集で解けていた分野でも、実際なかなか正解できないことに気づきます。
問題集で学んだことと過去問が全然別物に見えるかもしれませんが、それでOKです。
何回か解いているうちに、過去問も、問題集でやった解法の組み合わせだとわかってきて、次第に解けるようになります。
よく出題される問題の傾向も見えてきて、計算力もメキメキ上がります。
過去問の復習で大切なこととして、大問すべて正解したもの以外は、大問ごと解き直しましょう。
自力でゼロから完答する力を付けることがとても大切なので、大変ですが大問丸々解くことが合格への近道です。
何年分解くべきか気になりますが、最低5年分を2~3周は復習しましょう。
勉強法⑤予想問題集で総仕上げ
最後に予想問題集に挑戦します。
過去問と同じく本番と同じ時間でトライします。
予想問題集を解く際に意識して欲しいのは、「得点にこだわる」ことです。
本番では、時間配分がとても大切で、「解けない問題を後回しにする技術」が求められます。
練習だと時間が厳しくなってもプレッシャーはないのですが、本番ではめちゃくちゃ焦ります。
そのため、解ける問題から確実に回答し、難しい問題をあとでじっくり解くのがセオリーです。
予想問題集は、本番で得点するための練習であることを意識してください。
もちろん、答え合わせと参考書の復習も忘れないようにしましょう。
勉強法⑥ラスト3日間は総復習にあてる
試験直前の3日間は、復習のみにフォーカスしましょう。
この段階で、新しい問題を解く必要はありません。
いままで解いてきた問題の間違った点や、理解が怪しいところを中心に復習します。
きちんと計画的に学習を進めていれば、この3日間でしっかりと復習する時間が取ることができて、本番で何が出題されても大丈夫という状態に持っていけます。
勉強法⑦前日の過ごし方
試験の前日はそわそわしますが、早く寝て試験に備えましょう。
簿記検定は集中力が問われるので、体調を整えるのは必須要件です。
また、電卓・受験票・筆記用具を忘れないように必ず確認してください!(ここ重要)
私の友人でも、電卓を忘れて撃沈した人がいました......。
前日に準備を完了させて、当日を迎えられれば、あとは勉強の成果を発揮するだけです。
計画的学習で一発合格しよう
以上、簿記2級の勉強法について説明しました。
簿記2級は、計画的に学習すれば、独学でも誰でも十分合格可能です。
今回紹介したおすすめテキスト、勉強法を実践していただければ、合格レベルの実力は必ずつくと思います。
ぜひ簿記2級に合格して、学生あるいはビジネスパーソンとしてのレベルアップを図りましょう! ではまた!